『ピンと帆をあげた船


君の心は ピンと帆をあげている船

なのに、大海から遠く、
悪天候からも遠く、荒波からも離れている

君の心は、いつでも旅に出られる船

なのに、濃霧はない、嵐もないから横転の心配もない



『君の心』は
『いつでも出港できるのに一度も海に出たことのない船』
と同じ

自分自身をさらけ出したこともなければ、
船倉(内側の扉)を開けて見せたこともない

君の心は、海に錨をおろし、ずっと停まったままの船

リスクを背負って風の中にジャンプしたこともなければ、
湧き上がる情熱に従ったこともない



一度だって、港から鎖を解いたことがない

成り行きに任せてみたこともなければ、難破することもなかった

海賊たち冒険家たちに出くわしてワクワクすることもなかった


せっかく船として生まれたのに、船として生きなかった



      

<おまけ>
こんぴらふねふね:香川県の民謡
こんぴらさん:航海の安全を守る海の神さま
シュラシュシュシュ:追い風に乗って船が進む様子